この記事では、FXの本質、相場の原理原則について解説していきたいと思います。
為替相場は、日々ランダムな値動きがあり未来を読むことはできませんが、じつは普遍性のもとに動いていてテクニカルを駆使することで仮説をたてる事ができます。
しかし、ただテクニカルのスキルだけを身に付けても、結果を説明することができず再現性がありません。
そこで、FXの本質と相場の原理原則を理解することで、チャートの見え方が劇的に変わってきます。なぜそう動いたのか?なぜそこで止まったのか?ある視点から理解することで、自分のトレードを言語化でき再現性が生まれます。ぜひこの章を理解してからテクニカルスキルを磨いていきましょう。
これを理解してからトレード成績が変わったんだよなぁ~。
FXに対する多くの疑問
みなさん、FXトレードの技術を学ぶ前に、FXに対する疑問ってないですか?
- 何でみんなFXやるんだろう?
- 為替チャートのレートが上がったり下がったりするのはなんでだろう?
- みんなどんな方法でどこから買ったり売ったりするんだろう?
そうですね、少なからずこういった疑問は持ったことがあると思います。
ただこういった疑問を解決せずに、トレードしている人が多いのではないでしょうか?
実はこの疑問を解決しておくことで、相場の見方、チャートの見え方がかなり変わってきます。
なのでまずは、ひとつひとつ解決していきましょう。
その前にFXとは?
*FX=外国為替証拠金取引【Foreign eXchange】
日本円を外国通貨に換える取引を『外国為替取引』と言います。各国の通貨は取引量に応じて日々価値が変動します。例えば1ドルを100円で買える時もあれば120円で買える時もあります。この価格変動を利用し差益を得る方法がFXという投資法になります。例えば1ドル100円の時にドルを50,000円分買いました。その後、1ドルが120円になったのですべて売りました。
ここで得られる利益は、
50,000÷100=500 (500ドル持っています)
120×500=60,000 (売ったら60,000円になりました)
60,000ー50,000=10,000 (売った金額から買ったときの金額を引いて10,000円の利益が出ました)
さらにFXというのは、レバレッジ(テコの意)というものをかけることができるのが大きな特徴になります。
まず証券会社にお金を担保として預けます。これを『証拠金』といいます。この証拠金に対して何倍もの金額をかけて取引できるのがFX、外国為替証拠金取引なのです。
先ほどの例に20倍のレバレッジをかけてみましょう。
50,000×20÷100=1,000,000÷100=10,000 (10,000ドル持っています)
120×10,000=1,200,000 (売ったら1,200,000円になりました)
1,200,000ー1,000,000=200,000 (200,000円の利益が出ました)
あなたの証拠金10,000円と利益の200,000円があなたのお金になるということです。
このような取引がFX、外国為替証拠金取引です。
なぜFXをやるのか?
ではまず、なぜみんなFXをやるのかについて考えてみたいと思います。
結論としてはお金を増やすためですね。
好きなものを買う為にとか、家族の為にとか、老後の為にとかお金を増やすためにやっている人がほとんどです。始めは『お金を増やすぞっ』と意気込んで始めるんですが、どうしても長い事FXやってるとこの部分を忘れてしまう人が多いです。
- どんな相場だろうとどこでもトレードできる方法を見つけて天才トレーダーになりたい!!
- インジケーターをいっぱい覚えてインジケーター博士になりたい!!
- 勝率100%の聖杯を見つける旅に行ってきます!!
このように方向性を間違っている人がたくさんいます。
さらに『損切りができませんでした』で強制ロスカットになってしまったり、『もう上がらんな、売りエントリー!!』の丁半博打のギャンブラーを目指している人も多いように思います。
違います。お金をを増やすんです。FX名人になったり、博士になったり、ギャンブラーになったりする必要はないんです。5年後とか10年後とかまでにゆっくりコツコツ増やして大きな資金を作っていくのが目的です。
初心を忘れちゃ~ダメだよぉ~。
お金を増やすためにはどうしたらいいのか?
では、お金を増やすためにはどうしたらいいのでしょう?
まずは減らさないことを意識してみましょう!
当然スキルを身につけなきゃFXできないでしょと思うかもしれませんが、まずはその意識を持つだけでかなり変わってきます。では、何が変わってくるのでしょう?
- 汗水流して稼いだお金を大事にしながらトレードできるようになる。
- 一攫千金は狙わないコツコツ増やしていくトレードができるようになる。
- 自分の決めたルールを絶対に破らないトレードができるようになる。
- 損切りの必要性を理解しながらトレードができるようになる。
はじめのうちはうまく増えていかないかもしれません。しかし、トレードを重ねていくうちにいろんな事に気づき、少しずつうまくなっていくものです。そんな時にトレードするお金がなかったらどうでしょう?なのでまずは減らさない事を意識しながらやってみましょう。
有名な伝説の投資家の一人ジョージソロスも言ってました。
『まずは生き残れ』
FXはお金を増やすためにやるのだから、まずは減らさないことを意識してみよ~。
FXの基本。チャートとは何か?
チャートとは?
FXのチャートはテクニカル分析において最も重要なもので、過去の為替の値動きを『縦軸を価格』、『横軸を時間』にしてグラフにしたもの。これを見てトレーダーたちは、分析をし日々トレードをしている。
チャートは値動きを視覚化したもので、トレーダーはこれを見てトレードを行います。しかし、なぜ上がるのか?なぜ下がるのか?を深く考えてトレードしている人はごくわずかだと思います。
「ダブルトップのネックラインを割ったから売りだ」のようにテクニカルでしか判断していないために、「ダブルトップのネックラインを割ったらなぜ売っていいのか」まで考えていない人がほとんどです。そこを考えることでFXの本質にたどり着き、トレードの質が劇的に変わってくるでしょう。
なぜ上がったり下がったりするのか?
では、チャートを見てみましょう。
パッとチャートを見ると上がったり下がったりしいて動きが掴めません。少し上がったと思えば、急に下落してきたり、ずっと上がり続ける相場もあります。これだけを見ていると先のことなど分からず法則性があるとも思えません。
ではここで質問です。
このチャートは誰が作っているのでしょう?証券会社の人でしょうか?AIとか機械でしょうか?
答えはトレーダー達です。トレーダー達が買ったり売ったりすることでレートが上がったり、下がったりするのです。
ということは、トレーダ達はこのチャートを見て「やった!上がった!」とか「くそっ!下げた!」のような目の前の利益や損益に一喜一憂しています。言い換えれば、人間の感情がチャートを作っているとも言えますね。
テクニカル分析っていうのは感情の詰まったチャートを見てトレーダー達の心理を読み解くということなんです。
※重要
では、チャートを見てみましょう。
青□のところでプロの人たちが「よしよし、買いだな」と思い、買い始めます。素人トレーダーは「まだわかんないしなー」と思い、静観しています。
いよいよ上がってきました。中堅トレーダーが一つ目の緑□で「買いだぞ!」と思い買います。
一気に上がりました!赤□で素人トレーダーが「買いだー」と思い買います。しかし、赤□のところではプロたちが「儲かったなー」で利確する人が出てきました。素人トレーダーはここであたふたしています。
あまり下げなかったので、2つ目緑□で押し目買い待ちしていたトレーダーが少し買いました。が、あまり上がらず高値を切り下げたので利益が出ていたトレーダーが一つ目青○で一気に利確を始めました。下がります。
緑○で押し目買いしたトレーダーは「損切りだな」と思い損切り売り注文しました。一気に下がります。
赤○で素人トレーダーが「うわーもうダメだー」で損切りしました。
どうでしょうか?少し極端な考え方ではありますが、こういう風にチャートを見ると結構面白いです。「なんで下がったんだ」じゃなくてそこには心理的理由があるんだと思うと理由も説明出来ます。
当然これをテクニカルと絡めて考えていかなければいけないのですが、トレーダー心理を考えながらチャートを見るとかなり見え方が変わります。
- 移動平均線を上抜けてきたから、みんな買いたいと思ってるよなー。
- 高値切り下げて安値更新したから、みんな売るよなー。
チャートを見るとどうしても『下げ止まった、買おう』とか、『インジケーターがサインを出した売ろう』みたいな自分の意見を主体として考えてしまい、パソコンの向こう側にいるたくさんのトレーダーの心理を無視してしまいます。
でも、たくさんのトレーダーたちの感情があるからこそチャートが出来上がっていくものなんです。
- みんなが買いたいから上がる。
- みんなが売りたいから下がる。
- みんながどっちかわからないから持ち合う。
そして、それが相場の本質なのです。
トレーダー達の心理をチャートから読み解くのが相場だということを念頭に置き、トレードをしていくことで負けないトレードができるようになってくるのです。
チャートの向こうには自分と同じような感情を持ったトレーダーがいることを忘れないようにしよ~。
投資においての原理原則
FXはお金を使って運用していく投資の一種です。
投資とは?
経済活動において、この先の将来に資本を増加させるためや、生産能力を上げるために、今現在の資本を使うことを投資という。また、自分の能力開発の為に使うことも言う。金融投資、不動産投資、自己投資など。
どの分野の投資においても、大事なことがあります。これをわかっていないと基本的にはお金を増やすことができません。
投資をするうえで最も大事なこと
では、投資において大事なことは何でしょう?
それは、安く買って高く売ることです。これはどんな投資においても同じです。
不動産投資でも購入時より多くの収益がなければ損をします。事業投資でも掛けた金額よりも多くの収益が見込めなければ倒産してしまいます。
ここで注目したいのは収益部分ではなく、最初にかけた金額の部分です。
不動産投資で大きな収入を得たいと思い、そこら中から借金をして大きなマンションを建てた
→はじめは入居率も良く空きがほとんどなかったが、年数が経つにつれて空き部屋が増え、当初の投資額を収入が上回ることができなかった。
飲食事業をやるために、おしゃれな内装と高機能な設備を入れ、大きな金額を使った
→はじめはたくさんのお客さんに来てもらえたが、流行が終わり、お客さんの数が年々減り、当初の投資額を収入が上回ることができなかった。
これはよくあることです。当初は大丈夫だろうと身の丈に合っていない投資をしたが、コロナウイルス流行のような予測できない事態が起き、莫大な借金を負ってしまったなど、不測の事態を視野に入れていない事例は多数あります。
要は自分が許容できるリスク内で投資をしていかないと身を滅ぼすということです。
ではFXにおいてはどうなのでしょうか。
FXの原理原則
FXでは、国内口座は別ですが、海外口座を使っている場合は、最初に入れたお金以上の借金を負うことはありません。
ここでは、身の丈に合っていない取引数のことではなく、1つのトレードにおける「安く買って、高く売る」の話をしていきたいと思います。
では、チャートを見ながら説明していきましょう。
青い部分でエントリーした場合と、緑の部分でエントリーした場合何がどう違うでしょうか?
青い部分からのエントリー → 損切り幅も小さく、取れる値幅が大きい。
緑の部分からのエントリー → 損切り幅がめちゃくちゃ広く、取れる値幅が小さい。
圧倒的に青からエントリーしたほうがいいことがわかると思います。
これを損小利大と言いFXにおいてはすごく大事なことです。
損小利大とは?
株式投資やFXにおいて損失はなるべく小さくする一方で、利益はなるべく大きくするのが望ましいという考え方。
人間心理では利益に対しては早く確定してしまいたいという思い、損失は出したくないという理由から損切りができない為にこの損小利大は難しいといわれている。
今回のチャートでは緑のほうも利益を取ることができましたが、相場の先がわからない以上こんなに大きなリスクを取っていた場合、いつか急な逆行で間違いなく資金をすべて失ってしまいます。私自身も、最初はこんなことばかりやって大金を失ってしまいました。
上昇している途中ではなく、できる限り安いところで買って高く売るということを意識しなければ絶対に勝ち続けることは無理でしょう。
安いところで買って高く売る(売りから入る場合は逆で高いところで売って安く買い戻す)
これがFXにおいての原理原則です。
要は安いところでしかトレードしないというのが大事ということだよぉ~。
まとめ【FXの本質と相場の原理原則】
この章では、3つのことを見てきました。
- FXはお金を増やす為にやるということ。
- 相場の本質は、みんなが買うから上がる、みんなが売るから下がる。
- 相場の原理原則は、できる限り安いところで買って高いところで売る。
当然、トレードをしようと思うとテクニカル的な技術や知識が必要になります。
しかし、この記事の内容をインプットしているのと、していないのでは劇的に結果が違ってきます。
必ず、結果が悪くなったりなど壁にぶち当たる時が来ます。その時に、『なんでFXやってるんだっけな』とか『なんで上昇してるんだっけ』とか『このリスクは許容できるか?』とか、自分の行動や相場を、客観的に見て冷静に対処できるようにしておきましょう。
勝ち続けるためにこれを意識して、資産を少しずつ増やしていこぉ~。